「知る」ことが、最良の「薬」
- Risa Inaba
- 2017年7月3日
- 読了時間: 2分
私が通った中学校には、毎朝15分間、授業の前に読書をする時間がありました。
「朝読書」とよばれたその時間は、私の大好きな時間でした。
そして友人たちの影響を受けながら、読む本のジャンルが大きく広がったのはこの時です。
絵本作家になりたいと考えたのも、この時期でした。
でも、この時に読んだ一冊の本が、10年の時を経て私を医療の道に導いたのかもしれません。
1991年に発行された蟻田功先生の『地球上から天然痘が消えた日』。

病気の知識が無いために感染が拡大したり、戦争や内戦によって治療や予防が阻止されたり、様々な困難が襲ってくるのですが・・・。
WHOの世界天然痘根絶対策本部長として、その根絶に尽力された蟻田医師が、根絶までの道のりを書いています。
20年以上経って、改めて本棚に並んだこの本を手に取ってみました。
中学校の朝読書の時間、教室で泣きながら読んだ感動と衝撃を、今でも思い出します。
その後、クラスメイトに散々笑われたのもセットで思い出しますが・・・!!
動物医療に従事する今、正しい知識を伝える事、理解してもらう事の重要性を痛感します。
そして、一人では到底なしえない事を、みんなが力を出し合うことで達成する喜びも。
この著書の中で、蟻田先生はこうおっしゃっています。
「地球上には私たちの知らない別の世界があり、さまざまなことが起きていることを理解する必要があります。これを理解すれば、他人の苦しみや楽しみがわかるようになります。」
「知る」ことこそが、最良の「薬」。
今日の私の勉強が、今日の私の経験が、明日の誰かの薬になると信じて、頑張ります‼